2009/10/24 土曜日

ソ・ジソブ撮影後記(2009 Autumn編)

今回もジソブの写真を撮ってくれた内田ユキオさんから撮影後記が届いているので、ご紹介しますね。

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もう5分もすれば、ジソブがやってきますと言われても、まだどう撮ろうか決めかねていた。与えられた時間は短く、本人の様子を見てから撮り方を変えたり、いくつか試しながら引き出していく余裕がない。

そうなると、どんな状態でも無難に撮れるようにセットして待つのがふつうだ。そのつもりで準備をしているとき、初めてジソブを見たときのことを思い出した。

初めて撮るタレントに対しては、事前にいろいろな写真を見る。それで本人が撮られたがっている角度や表情がわかることもあるし、撮ったカメラマンの心まで読んで、撮影をどのように進めるかイメージできることもある。たくさん話したほうがいいのか、続けてシャッターを切ってのせたほうがいいのか。

ジソブを最初に撮ったときも、事前にかなり多くの写真を見た。

ぼくがいちばん大事にしているのは、そのように写真を見ておいたうえで本人を最初に見たときの印象だ。旅に行く前にガイドブックを読んでいて、実際に街を訪れたとき、「なるほど、そういうことか」と感じた経験は誰にでもあるだろう。それこそが実際に旅に行く理由だろうし、そこに生まれるわずかなズレのなかにこそ、ファンが求めているものがあるように思えるから。どんなにまとまりがよく、見栄えのよい写真が撮れても、それが写らなかったら悔いが残る。

ジソブの印象は、思っていたよりずっと穏やかで、やわらかく、深いものだった。強い目をしたかと思うと、子供のような顔で笑う。鍛え上げられた身体で細かな気配りを見せ、ストイックな言葉をやさしい声で話す。そういった二面性の美しいバランスこそが、彼の魅力ではないかと思った。

そのようなことを考えているうちに、「寄って勝負に出よう」と決めていた。望遠レンズを使うことなく、近い距離でアップを撮ろう。

幸いなことに、ぼくはジソブと背丈が変わらないから、座らせなくても目線を揃えることができる。目線というのは、相手と自分との心の距離を示すものだ。どんなに撮られ慣れているタレントでも、近い距離で目線を揃えれば、思わず零(こぼ)れてしまうものがある。それを残そう。

手を伸ばせば顔に触れられる距離で、ジソブはさらに穏やかになった印象だった。仕事に集中できているのだろう。

なにかを作る人間は、「息は吸ったら吐かなければならない」とよく言うが、いまは吸った息を吐いている段階なのかもしれない。身体から力が抜けている。なにかに集中して、息を止めるようにして力を込めて、そのあとで息を吐き出したような感じ。

撮影を終えたあと、彼はちょっと窓の向こうを見た。ふつうは撮影を終えると笑うものだけれど、そんなときのジソブは強い顔をしていることが多い。青空どころか、雲の形さえ見えない曇り空だったけれど、そこに見ていたのはどんな未来なのか。

そう遠くない日にまた撮れたらいいな。

内田ユキオ
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このときの様子を少しだけ補足すると、窓際にあるわずか1メートル程度の通路で内田さんはジソブと向かい合っていました。寄って勝負に出た内田さんの写真は、10月26日発売の『韓国ドラマ通信』2009 Autumn号でご確認くださいまし。


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